Garminのアクティビティトラッカーのデータが妊産婦死亡率改善に役立つと、研究者らが評価

妊産婦の生体情報の遠隔追跡で、有害な状況が起こる前の解決に貢献

米国は妊産婦死亡率と罹患率の危機に瀕しています。CDCによる2022年の報告書(詳細)では、「(米国における)妊産婦死亡の80%以上は防ぐことが可能と考えられる」と報告されており、その数字は2017年の60%から驚異的に増加しています。しかも、歴史的に入院施設での予防が重視されてきたため、妊産婦死亡の最大の要因である過去の予防が見過ごされてきました。

この報告書は、妊産婦死亡の4分の3以上が分娩入院以外で発生しており、1番の要因が精神的健康状態にあることを表しています。そのため、産前産後の女性の死亡率や罹患率を予防するためには、日常的な環境における健康状態の改善に焦点を当てた新たなアプローチが必要になります。テクノロジーをソリューションの最前線に据え、Garminには、この危機を軽減するために開発されたソフトウェアを後押しするための重要な指標を提供することが求められました。

予防的ソリューションとしてのソフトウェア

妊産婦の健康は、特に妊娠中と産後における生理学的システムのリアルタイムな反応をより詳細に理解することによって、長期にわたる大きな影響が期待できます。その影響は、当事者である母親、ひいては子どもに大変深くかかわっています。このことを認識した3つの企業は、有害な状況が発生する前に、妊産婦の生理的な苦痛を特定するために、Garminのアクティビティトラッカーから取得した健康指標を活用することにしました。

ヒューマン・アチーブメント会社のPro-Activityは、Academy of Prevention & Health Promotion Therapies(APHPT)と共同で、CISRSとして知られる同社のウェアラブル・データ・システムを社会的にマイナーとされる人々のために使用することを目的としたseed challengeを開発しました。女性の健康理学療法士であるKatherine Sylvester博士は、黒人とアメリカ先住民の妊産婦の健康にこのシステムを使用したいと考え、seedを獲得しました。彼女はOperation M.I.S.T.を創設し、CISRSを使用することで、母親の生理的指標を妊娠から産後1年間、遠隔で追跡することを可能にしました。

Garminウェアラブルで母親の生体情報を追跡する

Pro-Activity社が開発したソフトウェアは、Garmin『vívosmart 4』(※旧モデル)が収集したBody Battery(Garmin独自の体のエネルギー残量を示す指標)、ストレススコア、睡眠(量と質)、週間運動量、安静時心拍数、VO2max、フィットネス年齢、血中酸素トラッキング、歩数などの指標を臨床的に意味のある方法で集約し、生理的な苦痛の検出に役立ちます(詳細)。このソフトウェアは、Operation M.I.S.T.を使用した遠隔の健康支援者による専門的指導と組み合わされることで、医療施設に入る前の母親に直接、リアルタイムの健康に関する気づきをもたらします。その女性のデータが、あらかじめ設定された基準値から外れると、妊産婦の健康支援にあたる人がそれを解決するために支援します。例えば、感情的なストレス、食生活の乱れ、特定の薬、家庭や仕事の環境などは、すべてストレスに影響する可能性があります。考えられる原因のトラブルシューティングを行い、その原因が医療機関への紹介を示唆するものではないことが分かった場合、Operation M.I.S.T.における妊産婦の健康支援者は、その女性に解決策を提案し、個人および地域社会のリソースを提供します。つまり、健康アドボケーターと協力することで、母親の生理的ストレスを検出、調査、緩和し、母親に有害な状況が起こる前に解決することができるのです。

Pro-ActivityとAPHPTは、『vívosmart 4』によって収集される測定指標の適合性と妥当性、バッテリーの寿命、デバイスの長寿性と堅牢性から、このプロジェクトでGarminとのコラボレーションを選択しました。さらに、このデバイスがこのような目的に手ごろな価格であり、小型かつ軽量であることから、妊産婦の使用に望ましい選択肢となりました。エンドユーザーからのフィードバックでは、Garminのアクティビティトラッカーは見た目が魅力的であり、24時間着用しても快適であることが報告されています。参加者のフィードバックで強調されたもう1つの利点は、睡眠中に装着しても不快感がないことでした。

Pro-ActivityのCISRSは縦断的にデータを追跡し、過去の研究を通じて関連性があると判明した閾値と比較することで結論を出します。各ユーザーのデータは複雑であり、正常なパターンを包括的に理解するのは難しいですが、一旦個人のベースラインが確立されれば、変動が活動的な生活における通常の変動を超えている場合、データはかなり正確であることが知られています。Operation M.I.S.T.は、Garmin『vívosmart 4』によって収集したデータを通じて、不必要な医療コストを防ぎ、感染症、子癇前症、低ヘモグロビンの状態が発生した際に介入することで、ケアのギャップによる悪い結果の減少に成功したと話します。

Pro-Activity and Garminの未来

このコラボレーションの成功を受けて、Pro-Activity社は、Garminが支援するCISRSを使用したいくつかのヘルスケア研究を進めています。その中には、マルファン症候群の子供の健康状態の追跡や測定、2型糖尿病患者の健康管理と改善の支援、CISRSを使用した大手製造会社における従業員の負傷リスクの追跡や測定、予測などが含まれます。関連プロジェクトについてのより詳細な情報については、こちらをご覧ください。